再生医療を用いて関節の痛みを軽減
近年、再生医療という言葉をメディアでよく聞くようになりました。
これは「幹細胞」という様々な細胞に分化できる細胞を用いて組織を再生する医療で、iPS細胞という幹細胞の研究にノーベル賞が与えられたことでも有名です。
最先端の医療ですが、まだ実際の医療現場では用いられていないのではとお考えの方も多いと思います。
実は、「脂肪幹細胞」という幹細胞を用いた関節の痛みを治す治療が日本においてすでに実施されています。
行っているのは大阪府にある「そばじまクリニック」という病院です。
対象としているのは「変形性関節症」という、膝や足の付け根、肘などの関節にある軟骨が摩耗する症状です。
関節の骨同士が直接ぶつかるようになるため痛みや腫れが生じ、場合によっては骨が変形したり関節の動きが悪くなったりすることもあります。
そこで、軟骨を修復するために脂肪幹細胞の注入が行われます。
損傷した組織の修復が促され、炎症も抑えられるため痛みが軽減します。
脂肪幹細胞の抽出には、皮下脂肪を350cc吸引するだけなので体への負担も少ない治療法です。